新しい門が新設され、古い門柱にかかっていた「自衛隊太刀洗通信所」の隊の看板がなくなり、表札がなくなりました。
この「太刀洗通信所」は、朝倉郡筑前町(旧夜須町)にあり、映画「月光の夏」で全国に有名になった戦前の太刀洗飛行場跡にありましたが、1961年現在の場所に移設されました。
毎年の防衛白書で、「自衛隊はわが国の防衛に必要な情報を得るため、上空に飛来する軍事通信電波や電子兵器の発する電波などを収集し、整理・分析している」と述べ、また、97年の「日米防衛協力のための指針」(新ガイドライン)では情報活動について、「日米両国政府は、効果的な作戦を共同して実施するため、情報活動について協力する。これには、情報の要求、収集、処理及び配布についての調整が含まれる。その際、日米両国政府は、共有した情報の保全に関し各々責任を負う」と述べ、自衛隊と米軍が一体で情報活動し、最近の各種施設増設は、自衛隊が米軍の代わりの役割をしていると思われます。
この自衛隊の通信・電波傍受施設は、北海道の稚内から鹿児島県喜界島までに10ヵ所配置(※注)されており、日本周辺のロシヤ・中国・北朝鮮の出す通信・電波を24時間体制で傍受し、軍事動静などを探っているスパイ基地であります。
(※)北海道東千歳、北海道稚内、北海道根室、北海道東根室、北海道奥尻島、埼玉県朝霞、新潟県新発田小船渡、鳥取県美保、福岡県大刀洗、鹿児島県奄美喜界島
83年9月1日おこった「ソ連軍」の大韓航空機撃墜事件は、この襲撃状況の交信を、北海道の東千歳通信所の稚内の分遣隊がキャッチしていたにもかかわらず、撃墜を回避する行動は一切とらず、自衛隊が国民を守る」とか言っているのがウソで、自衛隊の情報収集能力が当時のソ連にわかってしまうのを恐れたからにほかなりません。
この事件を契機に当時のソ連を含め、一部外国はそれまでの通信系の一大転換を行ったと言われており、戦争になれば「敵」の最優先攻撃目標になるということは第一次湾岸戦争やイラク戦争でも証明済みです。
平成17年度防衛予算は、情報通信機能の強化をはかるため、情報本部を長官直轄組織とし、新たに統合情報本部を新設し、画像・地理部、電波部などの要員の増強を図っています。
太刀洗は、90年代前半の調査で各種アンテナ群が増加し、管理棟やゲートも更新され、また、ロシアや中国の軍事衛星を追跡するドームが一個新設されたのを、91年8月地元の人が確認しています。
その後、大幅な増強がおこなわれ、以前の太刀洗通信所の様相は一変している。特に軍事衛星を追跡するドームが増設され、3個となっている点が注目されます。増設されたドームは、以前あったHF・LPAスーパーゲインアンテナ(2基)を撤去しその跡に設置されています。
HF・LPAスーパーゲインアンテナは、管理棟のある基地の北側に1基移設新設され、垂直式カーテンアンテナもすぐ横に新設されています。
増設された2個目のドームは01年暮れ頃から基礎工事が開始され、02年暮れにはドームはカバーで蔽われ、管理棟側とドームを結ぶ地下道工事が県道を迂回させて施工され、3基目は03年暮れには完成しています。 |
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